T-258　ウォールナットのカウンターテーブル

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以前にC-376をオーダーしてくださった東京都のSさんから、アイランドキッチンの背面に沿わせて設置するカウンターテーブルのご注文を頂きました。

最初にSさんからいただいたメールには、「気に入ったカウンターチェアがあるので、それに合うデザインを提案して欲しい」という主旨のことが書かれていて、このチェアがウォールナットとレッドオークの組み合わせて作られているので、カウンターテーブルもこの2種類の木材を使って統一感を持たせたいという御希望も添えられていました。ですが、そのイスの画像を見せていただくと、シンプルながらもけっこう主張の強いデザインでしたので、そのイスの個性を活かすには、テーブルはむしろ主張のないもののほうがふさわしいと感じました。

そこで、木材はウォールナットのみとし、形も直線と90°だけで構成された、極めてシンプルなものをご提案してみたところ、Sさんもこの意見に賛同してくださり、上図のようなテーブルをお作りすることになりました。

完成したカウンターテーブルです。大きさの目安として身長160�pの人物の絵を入れました。

奥行きは40cm。カウンターテーブルとしては奥行きは深いほうだと思います。ただ、このテーブルは造り付けではないので、浅すぎると安定が悪く、場合よっては前に倒れて来ることがあるかもしれません。置き型のカウンターテーブルの場合は、少なくともこれくらいの奥行きは確保したいところです。

高さは85cm。Sさん指定の高さですが、お気に入りのカウンターチェアは座面高が58cmとのことでしたので、ちょうどよいバランスだなと思いました。

”シンプル”を目指そうとして、結果、ただ無愛想なだけの家具になってしまっては意味がありません。インテリア性を高める少しの工夫も加えました。

完成品を見ただけでは伝わりにくい構造の部分です。天板の下には「幕板」という部材を通し、全体の横揺れを抑止すると同時に天板の反りや捻れを防ぎます。そして背面の中間部には「貫」あるいは「胴桟」などと呼ばれる、やはりこちらも横揺れを抑えるための部材を加えています。

今回はSさんの御希望によりウレタン塗装にしました。家具工房クラポではツヤを控えたウレタン樹脂塗料を用いますので、その仕上がりはマットで、不自然な反射はかなり少なめに抑えられています。

Sさんからは、「素晴らしい品質で大変満足しております。早速、家族3人、並んで食事しています！」とメールを頂きました。Sさん、ありがとうございました。