T-257　接客スペースのための小さなテーブルセット

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長野県松本市の老舗酒店である「山崎精一商店」さんにお納めした接客コーナーのテーブルセットです。

こちらのお店とはかれこれ6年くらいのお付き合い。T-196をオーダーしてくださったYさんが身内でいらして、「あそこいいよ」とご紹介くださったことがきっかけでした。最初にお納めしたのはワイン講座を開くために新設されたスペース用のテーブル、カウンター、飾り棚。その後も個人的にデスクD-129や応接セットなど、たくさんの家具をご注文くださっています。

今回のご相談は、店舗のレジ前に設けられた接客コーナーの使い勝手が悪いので改善したいという内容でした。当初は造り付けのカウンターテーブルのようなものが良いのではというお話しだったのですが、実際にお店までお邪魔してその場所で打ち合わせをしていると、どうも人の往来が気になります。落ち着かないのです。そこで、思い切って場所を変え、店舗の奥まったところに新たな場所を設けませんかと、上図のような提案をし、この内容でお作りすることになりました。

テーブルは、クラポが定番品としてラインナップしているティーテーブル5254を直径80cmで。私は四角形を推していたのですが、人が出入りする際に角に身体をぶつけそうということと、なんといっても四代目店主のAさんがこのテーブルを気に入られ「これがいい！」とおっしゃってくださったので、こちらをお納めすることになりました。

Aさんが気に入ってくださったポイントのひとつがこの脚のフォルムでした。新しい接客スペースは、店舗の奥の方なのですが、お店の玄関を入ると、、わりと遠くからでも視界に入ってくる位置にあり、その時にパッと目を引くデザインがいいなということで、こちらが選ばれた次第です。

天板のエッジの処理は定番のとおり。ただ、手や腕が触れた時に当たりが柔らかくなるよう、いつもより少しだけ大きく丸めました。

椅子はスツールとベンチのセットにしました。実はこれもお店の方のアイディアです。スペース的に背もたれのある椅子を置くのは難しかったので、私はスツール4つが無難かなと思ってご提案したのですが、「片方だけベンチにするのはどうでしょう」と逆にご提案を頂き、なるほどそのほうがスツールがバラバラと4つ並ぶよりもまとまりが良いなと感心をし、『片方だけベンチ案』を採用することになりました。

こちらのエッジも通常より少しだけ大きく丸めてあります。不特定のお客様が座られることを前提とした、ちょっとした配慮です。

　なおスツールは人気の5337を2脚、座面を焦げ茶で編みました。

「山崎精一商店」は昭和9年創業の歴史ある酒店。現在は、「ソムリエ・エクセレンス」と「sake diploma」（日本酒ソムリエ）の資格を有する四代目の女性店主Aさんが、三代目店主のご両親と力を合わせて切り盛りしていらっしゃいます。この度新設した接客コーナーのその奥には充実のワインセラーも。私は臆して足を踏み入れたことがありませんが、外から眺めると、なんだかものすごい品揃えでした。贈り物に迷った時、新しいお気に入りを見つけたい時など、ぜひ相談してみて下さい。ご予算に応じて、リーズナブルなものから高価なものまで、いろいろご紹介くださいます。

お納めしたテーブルセットを、お店の『Instagram』でもご紹介くださっているので、よかったら御覧ください。

山崎精一商店のみなさん、ありがとうございました。