T-243　カーブが印象的なリビングテーブル

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神奈川県のKさんからご注文いただいたリビングテーブルです。

３０年以上前からお世話になっているKさん母娘。これまで納めてきた家具は、T-236、C-311、C-274、C-273、ダイニングテーブル5252ほか多数でもうよくわかりません。ここまでお付き合いが長くなると感覚的には「ほぼ親戚」。特に娘さんは容姿も年齢も私の従兄弟と重なる部分が多いので、話していると本気で混乱してくることも。そんなKさんからの新たなご依頼はT-169のアレンジ品で、ソファの前に置いて使うセンターテーブルでした。

実はKさん、神奈川と長野の2拠点生活をしておられます。　今回のテーブルは長野県用。打ち合わせのために車で工房を訪ねて下さったので、段ボールの型板を作ってお渡しし、現地で検討して頂いたところ、上図のようなサイズがベストということになりました。

こちらが完成したリビングテーブル。表題のとおり随所に見られる「カーブ」に特徴があります。

一番の注目ポイントは、この反り返ったフォルムの側板（脚部）。これは厚い板を削り込んで作ります。

これは側板（脚部）を別方向から見た様子です。こちらか見た際にもカーブを描いていることがおわかりいただけるでしょう。また天板もゆるくカーブしていることがおわかりかと思います。

このセンターテーブル、板を削り込んだり、曲線にカットしたりするばかりでなく、構造の部分でもけっこう手間の掛かる作りになっています。例えば「側板」と「地板」の接合は下画像のとおり。

これはT-169を作った際の記録写真ですが、テーブルを横倒しにして「地板」を下から見ると、このように複雑な仕口（しくち）になっています。

こちらは「幕板」と「側板」の接合部分。角度がついて、かつカーブを描く「側板」（脚部）に対し、水平部材である「幕板」を打ち込むためには、ちょっとした工夫が必要です。

ウォールナット好きのKさん母娘ですが、今回は他のインテリアに合わせてチェリーを選択。T-169とはまた違った明るい印象のテーブルになりました。

完成したテーブルを車に積んで長野県のKさん宅までお届けして来ました。写真を撮り忘れるという大失態を演じましたが、お納めした家具は喜んで頂けたので良かったです。Kさん、この度もありがとうございました。