D-170　シンプルでスマートなフォルムの丸足デスク

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長野県のMさんからご注文いただいたメープルのデスクです。
2019年に東京都から長野県へご家族で移住して来られたMさん。当初は転居先として駅近の集合住宅をお選びになり、まずはそこでお使いになるダイニングセットをご注文くださいました。それから数年後、「実は家を建てまして、ようやく子供部屋を持たせてやれるようになったので、学習机を注文したいのです」とご家族で相談にいらっしゃいました。聞けば、もともとは家を建てた大工さんに作ってもらう予定が、材質やデザイン面で折り合いがつかず、やはりクラポに頼もうということになったのだそうです。

実はこの時Mさんは少し焦っておられました。というのも娘さんが受験を間近に控えていて、少しでも早く勉強に集中できる環境を整えてあげたかったようなのです。「本当は今頃もう出来上がっていたはずなのですが」と、大工さんとの折衝に時間が掛かったうえ結局はキャンセルする運びになってしまった経緯を話され、「そんな次第なので、娘のデスクだけでも早くお願いできないでしょうか」とのご相談。すでに決まっている予定に割り込ませることはできないのですが、その時たまたま展示品を新規に製作するための時間を確保してあったので、これをMさんのデスクを作る時間に充てることで、このご希望にお応えすることになりました。

「デスクは大きくあるべき」というのが父親であるMさんのポリシー。たとえそれが子ども用であってもできるだけ大きなものが良いと主張され、「最低でも160センチは欲しいです」とおっしゃいます。しかしこれに対し娘さんは「やだ、そんな大きいの」とバッサリ。「それだけで部屋がいっぱいになる」と、せっかくできた自分の部屋の大半をデスクに占拠されることを避けたい様子。そこから父娘の激しいバトルが展開されましたが、紆余曲折の果、最終的には上図のようなデスクをお作りすることで交渉が妥結しました。

完成したデスクはこちら。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、これ、要するにダイニングテーブル5267です。父娘のバトルが膠着しかけた時、「娘さんが独立して家を離れる際にダイニングテーブルと兼用できるものにしてはいかがですか？」とご提案したところ、ご家族中が「それいいね」となり、「だったら引き出しはいらないね」「それなら大きめでもいいかもね」と、一気に解決に向かい、気づけばダイニングテーブル5267にたどり着いていたという次第です。

脚は娘さんの希望である丸足。「かわいい」とのこと。　木材の種類はメープルです。

ダイニングテーブル5267は天板の側面に丸みを持たせる「かまぼこ面」が定番ですが、今回はフラットで。　ただエッジがシャープなのは好きではないとのことでしたので、やや大きめに丸めました。

横幅140センチです。広々していますね。

奥行きは70cm。デスクとしては深めの奥行きですが、先述のとおり、いずれテーブルとしても活用することを念頭に、この奥行きにしました。

カーブを描いた幕板。こちらはダイニングテーブル5267のディテールそのままです。

Mさんからは、弟さんのデスクと、そしてご主人のデスクもご注文いただいていますので、いずれご紹介できればと思っています。　Mさん、ありがとうございました。