C-547 　ナラで作ったシンプルな厨子とあられ組み接ぎの下置き台

Home　>　作品集　>　仏壇・厨子 　>　C-547

愛知県のMさんからご注文いただいた小型仏壇と下置き台のセットをご紹介します。

Mさんは、クラポのInstagramを見てお問い合わせ下さったとのこと。「今、マンションのリビングに置いても違和感なく部屋に馴染むような仏壇を探しています」という書き出しで始まるメールには様々なご希望が記されていたので、その内容を元に原案を作成し、詳細の打ち合わせをいたしました。当初のご希望とはだいぶプランが変わったのですが、紆余曲折を経て、上図のような仏壇セットをお作りすることになりました。

こちらが完成した厨子と下置き台のセットです。全体の高さは９０cm。大きさの目安に女性が正座をしているイラストを添えてみました。

厨子（ミニ仏壇）は、外観はいたってシンプルです。打ち合わせの過程でサイズや内部の構成はいろいろに変化しましたが、この「シンプルなデザイン」という点だけは終始一貫して変わりませんでした。

内部もいたってシンプルです。段は無く、軸を吊り下げるフックがある他は、出し入れできるスライド式の棚板があるだけです。

下置き台と厨子の奥行きの差は９cm。仏壇の前に最低限の仏具を置くことができれば良いという前提での設計です。

下置き台は「あられ組み接ぎ」という工法で作りました。このウェブサイトには「組み接ぎ」や「蟻組み接ぎ」などの言葉がしばしば登場しますが、「あられ組み接ぎ」は久し振りかもしれません。その意味は「あられ」を「細かい」に置き換えていただくとおわかりかと思います。定義は様々あるのですが、簡単に言うとノーマルな組み接ぎよりも「細かい組み接ぎ」ということです。

下置き台にはスライドレール付きの引き出しがひとつついています。

この写真でお気づきかと思いますが、この仏壇には、軸を掛けるフックが正面、右側面、左側面の3箇所についています。正面が御本尊の軸用で、左右は法名軸用とのことでした。

Mさんからは「素敵な仏壇をありがとうございます。クラポさんに依頼して本当によかったです」とメールをいただきました。Mさんありがとうございました。