C-532 　椅子に座って拝むための小さな仏壇

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2010年に、テレビボードC-124をご注文くださった長野県のIさんから、小さなお仏壇のご注文を頂きました。

急逝されたご主人のためのお仏壇です。ご主人を亡くされて間もないタイミングでお見えになったので、どんな仏壇が良いのかもまだ曖昧で、すぐには決めかねるご様子でしたので、一度ご自宅に伺って、どこに置くのかも含めて一緒に考えましょうということになりました。

お訪ねするのはテレビボードの納品時以来です。10数年が経過したとは思えないような、当時と変わらない室内の様子。食卓に座らせて頂いて、お部屋の全体を眺めながら、どんな仏壇がふさわしいかとIさんを話し合い、上図のように小ぶりな厨子を作ることになりました。

こちらが完成したお仏壇です。Iさんのご希望は、エッジの利いたシャープなフォルムではなく、ころんとした丸みを感じる形でしたので、この点を意識してデザインしました。

扉の中は至ってシンプル。御位牌と小さな骨壺が静かに納まっていれば良いということで、奥行きも最小限にとどめました。

仏壇の奥行きは浅くしましたが、その下の置台（サイドテーブル）はそれよりも15cm深くし、この15cmのスペースに香炉や花瓶などを置くようにしました。

下置き台の高さは77cm。毎朝椅子に腰掛けて手を合わせたいとおっしゃるので、これにふさわしい高さにしました。使い勝手に重きを置くならば、できればもう少し高くしたかったのですが、室内に置かれた様々なインテリアとのバランスもあって、この高さが上限だろうとIさんと話し合って決めました。

少し深めの引き出しには思い出の品々が収められるのだそうです。

Iさん、ありがとうございました。